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飾るという場所

絵画、写真、雛人形や花といった飾るものは、その住宅の住み手の個性そのもので、
だから大事に取り扱いたいと思っている。
しかしながら、ただ棚をつくると無差別に並び始めて、季節ごとの出し入れもなくなることが多い。
美術品は厳選してひとつ置いてあると美しいが、節操無く並んだモノほど醜いものは無い。
想像してみてください。
カレンダーの隣にコンテンポラリーなリトグラフ。
その隣に五月人形とスワロフスキーのクリスタルや、お土産物たちがずらずらと並ぶ様を。
しかも埃をかぶって…。
ね。
よくある風景です。
飾り棚だから意思を持って飾る場所を特定する。
特に父上や母上から頂いた雛人形や五月人形のような晴れやかな季節の設えは、特別な場所性を用意したい。
もらった以上気持ちを敬意として表現したいものです。
でもでも、日本の住宅事情はそんなに甘くはない。
その時にだけ使えるような和室が確保できるわけでなく、何となくテレビの横かなんかにゴチャゴチャと並べるしかなくないわけで。

 

そこで、この住宅では階段を上って行く吹き抜け部分に、宙に浮いたように飾り窓(棚)を設置しました。
全方向から見えるようにして、遊びに訪れた父上や母上が、上ってくる目の先に人形が飾られる。
どうです?
喜ぶ様が見えるようでしょ。
そうすると、つまり…この住宅の住み手も良い事が一杯あるはずです。
設計で仕組む、全方向型飾り窓の、全方向型喜び連鎖であります。

 

[家づくりニュース2014年7月号掲載]