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私の家づくり。1/杉浦 充

更新日:2022年11月26日

『変形地に計画した全館空調の住まい』



疫病禍のはじめの夏に、土地のご購入を検討している段階で相談を受けました。


その時点では数年前に建てた、建築条件付の大手ハウスメーカーによる売り建て住宅に住まわれていましたが、現住まいに納得が得られずに現在の生活に不満を抱えているとの事で、お子さんを授かるこのタイミングで、まだ新しい住まいを売却のうえ、奥様のご実家の近郊エリアで土地を探しての新築及び転居を考えたそうです。


建築家との住まいづくりによって、今度こそは後悔のない家づくりをという強い思いが伝わり、こちらも重責の思いでとり組みました。


候補地を幾つかご相談いただくなかで、面積が約58坪の気に入っていた土地がありました。しかし広くて条件の良い土地は相応の価格がするために、建築にかけられる予算が減ってしまいます。かといって今までの、ビニールクロスの仕上げに、間取りで形が安易に決められてしまったような住まいでは納得できません。


坪単価で考えると、余程の郊外で無い限りは、建築費の坪単価よりも土地の坪単価が抑えられる事は大きな減額になり、結果的にトータル金額が抑えられることになります。


そうこうしている間に駅から近い、相場からも安めの約35坪の土地(中古住宅付)が出てきました。先の広めの土地よりも800万円程安く、こちらの土地で希望の計画が実現できるのであれば、構造や仕上げや設備等に費用配分を増やせる可能性が出て参ります。


実際にはこんな形状の土地でした。

敷地
<敷地>

四角い部屋を納めるにはなかなか難しそうです。


早速、土地を実際に拝見する日時を調整する事になりますが、北側道路の敷地に対する不安をもたれている建て主の質問に対して、私が返信したメールを一部公開します。

​南側道路の敷地の方が採光に対して有利であると捉えがちですが、道路からの視線が気になってカーテンを常時閉めるケースも考えると、北側道路の敷地の方がプライバシー性に対して有利なプランニングがし易い場合もあります。 また、住居系の地域の場合は、北側斜線制限や高度斜線制限が、道路幅分緩和できるので北側が道路である事は利点だったりします。 敷地形状が特徴的なため、プランニングが難しい(規格化住宅では特に)ために、土地の価格が抑えられているのかも知れませんね。 過去に、もっと小さな土地で三角形状の建築条件付の土地を購入された方が、困って相談に来られた方もいらっしゃいました。 提案プランではとても生活のイメージができなかったそうで、何度も修正を伝えたようですが結局さじを投げられてしまい、建築条件を外して良いという話しになって相談に来られました。 ↓こちらは扇型プランで納めました http://www.jyuarchitect.com/works/detail.php?id=55&cat=1 厳しい法規制にかかる地域のため、境界線から1.5mの壁面後退もあり、実質的な建築可能範囲は13坪程度の狭小地でした。 この度のご購入予定地は約35坪ありますので何とでもなりそうですが、南側が三角形の頂点のようにすぼまった形状で、一部は隣家が迫っているので採光には一工夫が必要そうですね。しかし大きな問題はないと判断します。 南の角部分は敷地内の隙間(庭)になりそうですし、なんか特徴的な建物になる可能性も感じて個人的にはとても興味を持ってしまう土地ですね。 近々、敷地を確認してプラン作成にとりかかれたらと思いますが、既存建物の2階の窓から周囲環境が確認できるとより良いのですが内見は可能でしょうか?


その後内見を済ませ、スケッチプランと概算見積を立てて融資機関にも提出しました。

<スケッチプラン>

建て主も希望の計画が可能そうであるとの判断のうえ、土地の購入を決断されました。

そして設計監理契約を交わして詳細設計にとりかかる事になりました。


<次回「私の家づくり2。」へつづく>

杉浦 充/充総合計画一級建築事務所)

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