NPO法人 家づくりの会 ホームページへ
家づくり大賞トップへ

[ 経済-001 ]
真壁の家

経済住宅部門

FavoriteLoadingお気に入り保存

住宅は社会資本を形成する主要な構築物です。環境の観点から持続可能性を含みうる家がこれからは求められます。しかし現在の住宅は他の産業から見ると少し遅れをとっているようです。それはリデュース・リユース・リサイクルの3Rを可能にする仕組みを持つ家が意外に少ないからです。

「住まい手の個性化=住まい手の生活趣向」とすれば、町の住宅は多種多様に見えますがそうはなっていません。それ見よがしに装おいパタンーンを変えただけの工業大量生産品に囲まれているだけです。それは没個性化を表していて無味乾燥な町を形成しているようです。これを感じている建て主が設計者に住宅を依頼しているのでしょうか。

工房では個々の建て主の生活趣向に対応しながらも経済性と持続可能性を含みうる柱、梁を表す真壁の家を造っています。それは可変可能な3尺グリッドを踏襲して標準化された部品で造ります。その造る仕組みで没個性化の脱出を図ります。

 

邑楽の家は建て主のささやかな営みが感じられる家です。外壁の柱が3尺グリッドの表情をつくっています。真壁でつくる仕組みはスケールの小さな家でもプロポーションの破綻はありません。その形は周囲に強く発信しているわけではありませんが静かに主張しています。邑楽の家は下屋を設けることで外部の表情が豊かになり室内空間も奥行きが生まれました。片流れ屋根がつくる空間はコストの低減を可能にする一つの手法です。

邑楽の家の住人は年金を受ける60歳後半の夫婦の家です。老夫婦は中古住宅に子供たちと一緒に住んでいましたが今では子供たちは独立して二人になりました。その長年住まわれた中古住宅は地震に遭遇しました。壁や基礎にヒビが入りその改修の相談に工房を訪れました。工房は減築する改修を勧めましたが、かつてから木の家に住むことを夢見ていたそうです。邑楽の家は老夫妻が少ない資金で造る新たな生活のための意欲的な家です。

岩舟の家も外壁が3尺グリッドの表情をもっています。その真壁のつくりの大屋根はおおらかな家の生活を暗示しています。ストーブの煙突もその一つになっていて、薪を焚く煙の揺らぎに人の生活があることを示しています。煙はそこに住まう人の生きている豊かさを表しますが、都市の家ではこの生活を表す煙突の煙は拒否されます。それはこの家が田園地帯に建つことで可能になっていて地方の豊かな家の特徴です。

岩舟の家は二人で住む20歳後半の若夫婦の家です。工房が手掛ける最年少の家になります。この若夫婦はプレファブメーカーの家を考えましたが、この地にふさわしくないと思ったそうです。それは工業製品でつくられる家が醸し出す、その無機的な表情からでしょうか。若夫婦は田園の植物たちとなじめないことを想ったのでしょう。それは有機的な工房の真壁の家を選んでくれたようです。ありがたいことでした。

建設地
群馬県邑楽郡邑楽町/栃木県下都賀郡岩舟町 
敷地環境
郊外
構造
木造軸組パネル構造
階数
2階建て
敷地面積
369.3㎡/349.9㎡
建築面積
47.0㎡/61.6㎡
延べ床面積
63.2㎡/105.7㎡
工事費
1,310万円/2,090万円
家族構成
共に夫婦2人
居住者の年齢
60歳代後半/20歳代後半
FavoriteLoadingお気に入り保存