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[ 住宅-005 ]
日本建築を現代翻訳した中古マンション・リノベーションの作法

住宅文化部門

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今回の提案では、素地にペンキで仕上げるような時代の目新しさではなく、長年住まうことを見据えた建築のようなリノベーションを目指しました。
リビングのバルコニーへの出入口の窓の高さがあり段差解消のためにステップを兼用した縁側を設けました。その縁側に障子を設けることで柔らかな自然光を届け、夜には段差を利用した間接照明を施したことで落ち着きのある雰囲気を演出してくれます。また障子によるダブルスキンとなり空気層が断熱性を高めてくれます。
マンションでは廊下を最小限にしているために各室に窓はあるけれど風は流れず空気がたまります。そこでLDK・和室・ホールが機能的にも無理なくつながる空間構成とすることで、開口部を開くと共用廊下からバルコニーへ風が流れるため一軒家のようです。
マンションに日本建築を現代翻訳した知恵を盛り込んでできた景色は我が家の原風景となり住まいに豊かさをもたらしてくれるものと考えています。

LDから和室・廊下を望む。和室には柱を設け2方向から障子を受け止めます。障子を開け放てば大黒柱のように存在する柱が空間を引き締めます。和室はリビングの附室ではなく独立した室として使える空間構成にしました。客間として、親や子供の室として扱うことができるためリビングに広がりを与えながら、家族と共に歴史を刻む場所が獲得できました。

障子をすべて引き込んだLD。木や金属をふんだんに用い、両者が呼応する素地の重なりを意識した空間構成にしました。木部の色を3つのトーンとすることで木質空間にありがちな単調さはなくなり素材や空間に奥行と豊かさを与えます。
蔵書量があるため、魅せる収納を兼ねた本棚をリビングに設置しインテリアの一部としました。

5枚の障子を引き込むと1つのフレームの中に2つの窓が現れます。肌理の細かい障子から一変して素材感ある化粧木毛セメント板を使うことで断熱性能はもちろん意匠的にも表情に奥行を与えます。5枚の障子越しに縁側からの間接照明により落ち着いた雰囲気を演出します。

寝室には床材を変えることでLDKと変化をつけました。LDK床のナラ材と変わり大きな柄の構造用合板を用いることで空間と気分にON/OFFが付けられます。今回のリノベーションでは図面に現れていなかった配管が出てくるアクシデントもありましたが、それをまたインテリアの一部として積極的に捉えています。

建設地
大阪府大阪市 
敷地環境
市街地
構造
RC造
階数
14階建て 10階部分
敷地面積
78.25㎡
建築面積
78.25㎡
延べ床面積
78.25㎡
工事費
900万円代
家族構成
夫婦2人
居住者の年齢
30代
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