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[ 再生-002 ]
五感で感じる住まい

再生部門

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目の不自由な建主さんが住まう木造2階建ての全面リフォーム。人は、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を通して情報を脳に伝え感情を抱く。そしてその情報の80%以上は、視覚から得られていると言われる。 デザインする場合、美しくバランスのとれたプロポーション、素材の対比やディテールなど、視覚に頼よっている部分が多い。視覚に障害がある建主さんに、安全性のみでなく住まいの楽しさや心地のよさを伝えることがテーマとなった。
改築前ご自宅に伺うと、外では杖を持ち慎重に歩いていた目の不自由な建主さん、驚いたことに家の中では何の手助けもなくスタスタとを歩いているではないか。視覚以外の聴覚、触覚などは極めて敏感で、床や壁の肌触り匂いなどで居場所を確認していると言う。さらには、壁などに反射する風の流れでモノの位置関係がわかると言う。視覚に頼らなくても、体全体の感覚をフルに生かし空間をみることができるのだ。普段、なかなか気がつかないような繊細な感覚が人には備わっている。

敷地から住まいへと至る狭くて段差だらけだった玄関アプローチは緩いスロープとしシンプルで安全な動線の確保。深岩石にウォータジェットで凹凸を付け滑りにくく、端には玉石を敷き、踏んだ時の音で境界を認識できるよう考えた。

直接手や足に触れる部分は、木、石、珪藻土、和紙など自然の素材を使い、触り心地が楽のしめるような工夫を考えた。

それぞれの場所がより認識しやすいように、数種類の無垢材をパッチワークのように貼り分けた。手摺や家具なども丸みを帯びたオリジナルデザインとした。

緩やかに架けかえた階段の上り下り口は、「浮づくり」「なぐり 」など木の表面を浮かび上がらせる、伝統的な表面加工方法を取り入れ、足触りで居場所を認識できるように考えた。

建設地
さいたま市 
敷地環境
郊外
構造
木造軸組全面リフォーム
階数
2階建て
敷地面積
120㎡
建築面積
80.32㎡
延べ床面積
149.23㎡
工事費
2200万円
家族構成
5人
居住者の年齢
70代両親、40代夫婦、10代子供
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