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[ 再生-013 ]
木漏れ日の家

再生部門

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京都市中京区にある店舗兼住宅の改修である。既存建物を踏襲し、1階を事務所、2,3階を住宅とするが、住宅部分はどちらも天井高が2m強と低く、この低さをいかに活かすかが設計の要となった。ここでは、2,3階に吹抜けを設けそこに面する南壁面をガラス張りとし、さらに植栽とベンチを設えることによって、中央に「公園」のような空間をつくることを考えた。その公園に面して2方向に内部空間が広がる。更にそれぞれの内部空間にカーペットとタイルの2枚の板を挿入することで、寝室とリビング、浴室とキッチンといったそれぞれの空間に適した仕上げを持つ4つの空間を獲得した。これらの小さな4つの空間と公園のような吹抜空間を対面させることによって、各室の守られた感覚と吹抜空間の開放感がそれぞれ増幅され、この住宅に要求されるアクティビティに、建具で仕切られた部屋としてではなく、質の異なる場として応えられるのではないかと考えた。

キッチンよりダイニング越しにリビングを見る。キッチンの天井は上階浴室の床仕上げと同じタイル張り。キッチンはステンレスと構造用合板による製作品で、全てマグネットキャッチによる引出しとして取手は付けていない。床は杉の足場板にベンガラと亜麻仁油で制作した塗料で自主塗装。木部分は収納棚を含め全て床と同じ仕上げとし、壁面は構造用合板にリシン吹付けとした。

寝室より吹抜け越しに浴室を見る。カーペットの板による寝室とタイルの板による浴室とは、ブリッジにより繋がれている。寝室、脱衣室、浴室はそれぞれカーテンで仕切るだけとし、あくまでも空間の質を操作することでアクティビティに合った場となるよう心掛けた。正面奥に見える柱は既存建物の通し柱。吹抜けに設けられた植栽は将来3階天井まで届き、ガラス面を覆いダイニングに木漏れ日を落とす。

1階事務所。北壁面は一面収納棚とし、南側は2,3階と同じ部分をガラス張りとした。ガラス面上部にあけた穴からは数年のうちに2階の植栽が垂れてきて、将来ガラス面を覆い木漏れ日を落とすと同時に目隠しの役割も果たす。既存の建物は土台、柱共に損傷が激しかったため、基礎、土台は全てやり直し、柱も大部分を入れ替えた。構造用合板、ホールダウン金物共にアラワシとし、床は黒ベンガラ混入モルタルとした。

外観。開口位置が変わった部分と雨漏りの激しかった屋根の葺き替え以外はできる限り既存を利用し、以前の床屋で使用されていたサインポールも残し、現在も営業中は回転している。2階の8連押出窓は、1階に使用されていた既存建具を集めてきたもので、その上に既存の梁がアラワシで見え、さらにその上に新たな嵌め殺し窓が並ぶ。元々の建物は大正時代に建てられた木造2階建てであり、その後2回ほどの増築が加えられていた。

建設地
京都府 京都市 
敷地環境
市街地
構造
木造
階数
3階建て
敷地面積
42.38㎡
建築面積
35.20㎡
延べ床面積
92.46㎡
工事費
900万円台
家族構成
夫婦2人
居住者の年齢
30代
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