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[ 空間-017 ]
黒い筒の家

空間構成部門

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敷地は長野県富士見町の静かな森の中。建築主からは、周辺環境と調和する建築形態と魅力ある内部空間を、そして信州の冬の厳しい自然と向き合いながら快適に暮らせることが求められました。

キーワードは「境界のない建築」。各領域が平面的にも断面的にもつながっていて、高さ・広さ・明るさの変化と対比をあえて強調することにより、一体空間の中に性格の異なる「居場所」をいくつか創り、そこが住宅としての機能をもつことを目指しました。

断面形状が1/4円のような筒状の細長いこの家は、地形の緩い傾斜に沿ってあたかも大地の中から湧き上がってきたような形であり、地面から縁が切れて浮いています。円弧部分が屋根兼外壁、垂直部分が唯一の開口部、水平部分が床面という構成。道路側からは低く見えるように意識し、開口は道路側には閉じて森側に開くことにより、自然と対面して四季折々の変化を感じることができます。

冬景色。建物が地面から浮いていることは、傾斜地において湿気対策上また積雪対策上も有効です。そして建物の外皮をすっぽりと断熱材で覆い、要所には輻射式パネルヒーターを設置することにより、信州の厳しい寒さに耐えられる性能を確保しています。設備機器や配管は、建物中央に位置する床下ピットに集約し凍結対策を施しました。

山側から見た外観。長さは13間(23.6m)の細長い建物です。右から居間、水廻り、個室、玄関、個室の順に空間が一列につながっています。外壁は杉板張り、開口部は木製建具です。

壁と天井の境界のない室内空間。そのために1間モジュールで13間繰り返す「湾曲梁」(長野県産のカラ松)とそれに直交する方向を「化粧野地角材」(55×55、@75、長野県産の杉)で構成し、「黒い筒」のような一体空間を創っています。その中に、個室や水廻りなどがボックス状に置かれ、それらは薄暗く狭い洞窟のようなイメージの廊下でつながっています。

リビングから大型木製開口部を通して外部を見た様子。自然と向き合い四季の移ろいを感じながら暮らしを楽しむことができます。

建設地
長野県諏訪郡富士見町 
敷地環境
林野地
構造
木造
階数
平屋建て
敷地面積
1033.75 ㎡
建築面積
118.72 ㎡
延べ床面積
118.42 ㎡
工事費
3000万円台
家族構成
夫婦二人
居住者の年齢
40代
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