[ まちなみ-003 ]
鈴鹿の曲がり屋                 ~竪穴式住居から伊勢路屋敷跡の上に建つ~

まちなみ部門

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~弥生時代から続くまち~
西に広がる鈴鹿山脈、雪解水を運ぶ鈴鹿川と
その水を引き込んだ田園景が広がる地域に佇む「鈴鹿の曲がり屋」は
かつて弥生時代には竪穴式住居が建ち、奈良時代には伊勢神宮への官道として栄え
鎌倉時代には、お屋敷が建ち並んだとされる地区に建てられました

~土地に倣う~
そんな土地力をもつ地域には
今も平屋のお屋敷が建ち、大きな勾配屋根に、左官や板張の外観がまちをつくっています
長らく「まち」をつくってきた家々に倣うように
まちに面して平屋部をつくり軒を低く揃え、大きく屋根面を見せ
外壁には土壁と板壁に格子を用いることで
周囲の風景に馴染むような佇まいとしました

~曲がり屋~
周囲に馴染ませたお家は
「曲がり屋」の字のごとく、L字型に平面プランを曲げた形をとっています
このL字型のプランは
暮らしの中の「ハレとケ」を分けるように
また、鈴鹿山脈から吹き降ろす「鈴鹿オロシ」を防ぐ役目を担っています

日本海側から吹き込まれた冬風は
鈴鹿山脈を越え、乾き冷えきり、まちを凍てさせ、伊勢湾へ抜けて行く
そんな「鈴鹿オロシ」をまともに受ける土地から
L字型の「曲がり屋」の北西面の壁は、冷たい風を止め防ぎ
南東に開かれたお庭を、リビングを、光溢れる温かな空間にしています

住まい手からの要望であった「光溢れる家に」を満たすため
家族が集まるリビングや和室、キッチンにダイニングは
天井までの大きなガラス戸を設け
のんびりできる縁側を挟み、こどもたちが走り回るお庭を囲み
南に建つ隣家瓦屋根の上から降り注ぐ太陽光が
ゆったりと温かい内と外が一体となる光溢れる空間をつくっています

L字型に曲げた平面は
短手部分に、水廻りや収納室など生活機能部分をまとめ
長手部分には、リビングや和室、可変的なこども部屋など
暮らしのゆったりした部分を配置し
家の中の「公と私」
暮らしの中の「ハレとケ」の場をつくっています

多くの人で楽しく集まる場と、私的な場を共存させるために
昔ながらの家のように
場ごとに建具を配置し
区切ったり、繋がったりが出来る空間をつくりました
また
区切る建具は、完全に閉じるのではなく
ゆるく柔らかく、隣りを感じながら閉じれるようにしました

建設地
三重県鈴鹿市 
敷地環境
市街地
構造
木造
階数
2階建
敷地面積
239.1㎡
建築面積
83.78㎡
延べ床面積
131.94㎡
工事費
2800万円
家族構成
夫婦+長男
居住者の年齢
30代、幼児
設計者名(事務所名)
後藤 孝(後藤建築設計)
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