[ 生活-003 ]
「うなぎの寝床」というストックを魅力的に活かす

生活提案部門

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都心に建てられた木造3階建ての住宅。敷地の形状は間口4m、奥行き14.5m、所謂「うなぎの寝床」。都心には、ミニ開発されたこのような狭小地が沢山あります。土地の細分化については景観的議論もありますが、若者が都心に住むということを考えれば、有効なストックの活用ともいえます。このような場所で豊かに暮らすには、それなりの工夫も必要です。
玄関ドアは奥の方の脇に設けました。狭い敷地ながらも歩く距離を長くすることにより「うなぎの寝床」という敷地特性ならではの奥行き感を助長し、路地の奥に惹き込まれるようなアプローチ空間を演出しました。

玄関正面には足元を浮かせた下足入。隣地との離れが狭い空間も明り取りとして活用し、飾り物を惹き立てます。右手の収納扉は、下足入とコート掛け。左手の扉の中は納戸。狭小住宅でありながら、大容量の収納が備わっております。来客時や寒さが気になる時は、引き込み障子を閉めることもできます。

 玄関からの風景。地下部分は子どもスペース、中2階部分はキッチンスペース。吹抜となる階段室は、重力換気のスペースとしても活用。最下階の階段下に設けた蓄熱暖房機の暖気が家全体を暖め、最上階に溜まった暖気は天井扇によって2階LDに落ちてくるようなサーキュレーションを計画。
 キッチン背後には作業台を設置。足元には家電収納の他、ごみ箱置き場等も配備。軽食や子供の勉強スペース等、用途に多様性を持たせております。

 2階リビングから南側外部を見た様子。道路反対側には住宅が建ち並び、開放的に作っても対面する住宅に気を使うので、中間領域的な空間(2階はエキスパンドメタルで囲われたバルコニー、3階は壁で囲われたルーフバルコニー)としました。吹抜けやスノコブリッジを介して、自然光が降り注ぎます。
 窓側は、バルコニーと一体になった快適な仕事スペース。日中は外の方が明るいので、向うから中を覗かれることはありません。

 2階LD越しに家全体を見通した様子。中2階はキッチン、中3階は水廻り、3階は寝室。
 水廻りを出ると、半階下にLD、半階上に寝室が見えます。寝室の向うにはルーフバルコニーがあり、半階上がるだけで洗濯物が干せるので家事動線もスムーズです。うなぎの寝床形状でワンルーム的空間とする場合、短辺方向に構造壁量が足りなくなるので、ブレースを活用。スキップフロアを繋ぐ剛床は、鉄骨階段の踊り場を活用しております。

 3階の階段踊場から寝室を、その向こうには吹抜、スノコブリッジを渡った向うがルーフバルコニーといった具合に見通した様子です。吹抜やスノコブリッジを介して、2階のLDに明るい自然光が取り込まれます。
 3階から半階上がるとロフト空間。梯子ではなく、階段の続きで上がり易くしております。北側高度斜線の制限でロフトの出入りが窮屈になった所は、床を一段下げて出入りし易くしております。半階下がった中3階は、水廻り。

建設地
東京都品川区 
敷地環境
市街地
構造
木造
階数
3階建て
敷地面積
60.79㎡
建築面積
36.22㎡
延べ床面積
90.18㎡
工事費
非公開
家族構成
夫婦二人+子供一人
居住者の年齢
40代
設計者名(事務所名)
根來 宏典(根來宏典建築研究所)
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