[ 環境-001 ]
土地がもつ「力」にこだわる

環境部門

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土地にはそれぞれ、場所固有の歴史がありさまざまな「力」が宿っています。その「力」とは、絶対的な揺るぎないものばかりではなく、ほとんどがうつろうもの、はかないもの、弱いものでもあります。

計画地を注意深く観察し「埋もれてしまいがちな力」に注目しました。その場所ならではの光や風や湿気のこと、足元の石積みに咲く野の花から近所の緑や、数百m先の高木や、四季それぞれ美しい姿を見せる朝日や夕日、木洩れ陽、木々を渡る風など、土地のさまざまな「力」を生かすことにこだわりました。

土地特有のもの。本当のエコとは、そのような土地の力・自然と柔らかくつながりながら生活をしているという実感が持てることをいうのではないでしょうか。この家では土地の光や風や風景を室内にたっぷり取り込み、さらに耐震性、断熱に配慮し空気集熱式のソーラーシステムで室内からも、住環境を整えています。

丁字路の突き当たり西に向いてこの住まいがあります。昼から午後にかけて光が回り、深い庇に影をつくり、道路に面して植えたアオダモやジュンベリーが芦野石のアプローチの床や杉板型枠のコンクリート打ち放しの壁や左官の外壁に木洩れ陽を落とします。開口部は、夏の強い西日を考慮して、スリット状の窓になっています。桜並木の通りに面しては、敷地内に花見用のベンチがさりげなく置かれています。

内土間からリビング、ダイニングを見ています。
階段のコーナーの壁は木製の窓になっていて北庭とつながり、ダイニングテーブルの先には東側の窓があり、その先に敷地内に植えた樹木と隣家の緑が重なり深い緑陰のある風景を呼び込んでいます。北側は日影・裏というイメージがありますが、しっかりと光りが差す季節や時間帯があり、その場所の「力」を生かしたいと考えました。

この住まいは東南に扇形に開いたプランになっています。家の周囲に庭を造り全方位的に内と外がつながるプランを求め試行錯誤した結果でした。リビングは南に正対し、刻々と変化する光と風を一日中楽しめます。ダイニングとそれに続く石のテラスは少し東に振り朝日と隣家の緑をダイニングテーブルまで引き込みました。住まいは近隣の緑と敷地内の光と緑が重なったその中に建ち、街並みを整え近隣の家々にも四季の豊かさを届けます。

建設地
東京都世田谷区 
敷地環境
市街地
構造
木造
階数
二階建
敷地面積
235.74㎡
建築面積
93.76㎡
延べ床面積
154.80㎡
工事費
   
家族構成
夫婦 子供二人
居住者の年齢
40歳代
設計者名(事務所名)
髙野保光/遊空間設計室
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