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北側の眺めを楽しむ家

北側の眺めを楽しむ家01

リビングからキッチンのテラス戸を通して北側の緑と空が見える。


北側の眺めを楽しむ家02

寝室は屋根勾配にあわせた登り梁天井。高い天井とロフトで広がりと収納を実現。

 設計にあたってMさんが心配されていたのは、今の土地の広さで大人4人が住める家ができるものかどうか、ということでした。敷地は高台の住宅地の一角。第一種低層住居専用地域で建ペイ率40%、容積率80%の条件は確かにそんなに余裕はありません。しかも北側は急傾斜地崩壊危険区域に近接。その変わり眼下に広がる町並みを遠くまで見通すことができて気分爽快な眺めです。
そこで設計の常套手段とも言える、床面積に算入されない地下の部屋やロフトを造ることで、少しでも広くすることにした結果40坪強の面積になり、家族一人一人が自分の居場所になる部屋を持つことができました。その分リビング・ダイニングや玄関は面積を切り詰めました。南北に長い敷地のため、間取りも敷地形状に準じて南北方向を軸に計画し、リビング・ダイニングからキッチンはワンルームで視線が南の庭からキッチンの外の北デッキまで抜けるようにしました。
北側の眺めを楽しむ家03

窓からの眺めだけでなく床の段差ゼロ、引き戸でバリアフリーの浴室に。
引き戸の前に特製タイル掛け。

南側は住宅に囲まれた袋状の私道に面しているため、南側からは日差しを取り入れ、視界は空が広がる北側を主に考えました。Mさんも北側の眺めが気に入っていて、そこに広いデッキを造ることが家づくりに当たっての夢だったので、それを実現しました。

 デッキに面した浴室も好評です。設計当初、浴室はユニットバスしかできないと思われていたMさんでしたが、北側の景色を見ながら湯船に浸かれる浴室もできることが分かったので、既存のタイル張りの浴室を造ることになりました。
そこで苦心したのが、浴室配管の点検方法の確保です。この住宅は長期優良住宅の補助制度を利用していたので、そのための必要条件を満たさなければなりません。維持保全にあたって定期点検ができるようになっていなければならなのです。ユニットバスなら簡単ですが従来の施工方法では工夫が要ります。何とか点検口を造りましたが、住宅設計に当たって、これからますます維持保全に関しての配慮が必要になってくることを感じました。

建築DATA

1階床面積 : 52.9㎡             〈家族構成〉
2階床面積 : 52.9㎡             夫婦 + 娘家族2人
延べ床面積 : 106.0㎡(32.0坪)地下・ロフト面積を除く     
構   造 : 木造軸組工法2階建て+地下1階

[家づくりニュース2013年4月号_今月の家_掲載]