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古家をリノベーションした「CafeHouse」
クラフトサイエンス

「カフェリビング」:かつてあった床柱と棚を残しながら、窓辺に腰掛けられるベンチやキッチンと対面するカウンターなどをつくり、人が集い、くつろげる空間をつくりました。

「二階の部屋」:壁と天井を緩やかな円弧状につなげることで、柔らかく包まれるような居心地を求めました。
この家も「街に開かれたスペース」のある京町家のリノベーションです。
「カフェハウス」と名前がついていますが、使い方はなんでもいいのです。自宅でお店を開きたい、アトリエで製作活動をしたい、仕事の打ち合わせもできるオフィスを自宅に持ちたいといった、家で仕事をするライフスタイルにふさわしい家です。
不意の来客でもプライベート空間を気にせず接客ができたり、友達と時間を気にせずゆったりお酒を飲んだり、そんな使い方のできる空間を「カフェリビング」と名づけました。
近代の産業化社会になって、職業の専門分化がすすみ、生業が家の外にどんどん出て行ってしまいました。と同時にかつては当たり前のように住まいのなかにものごとが失われ、失ってみて初めてその大切さに気づく、といったことを私たちは繰り返しているようにも感じます。
その大切なことの一つが人と人とが出会い、対話し、そこで人の心に変化が生じることだと思います。
建築DATA 敷地面積 : 54.79㎡(16.57坪)
建築面積 : 46.30㎡(14.00坪)
延べ床面積 : 63.27㎡(19.13坪)
構 造 : 木造2階建て
用 途 : 店舗併用住宅
[家づくりニュース2015年10月号掲載]