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対岳荘

 高台に位置する閑静な住宅街で、計画地は東側が崖地に面しています。麓には利根川が流れ、正面には前橋市のシンボル『赤城山』を望めるロケーションです。建て主は「赤城山の雄姿と前橋市の街灯りを見ながら暮らすこと」をテーマに、この土地を購入。設計者として与えられた課題は当然、この立地条件を最大限に活かすことでした。
 美しい景色を取り込む庭園の手法に『借景』という言葉がありますが、それは景色に100%依存するということではありません。あくまで共存。そこに建築が存在する意味があると思います。景色を見るだけなら建築は必要ありません。特に住宅は、そこに人間の営みがあります。建築を活かす景色に恵まれた住宅ではありますが、同時に景色を活かす建築。それが人間と環境との共存を愉むということだと思います。夏は緑の絨毯(木々)の上に浮かんでいる様ですし、冬には葉が落ちて利根川の流れが臨めます。春は芽吹き、秋は紅葉が美しい。四季折々の移ろいを愉みながら、赤城山への精神的な方向性が増しつつ、同時に身体をシッカリと受け止め、包み込む器としての包容力ある空
間を目指しました。
『対岳荘』は、建て主が付けたネーミング。愛着を持って、私も使わせて頂いています。

対岳荘
雪景色。

対岳荘
外構と建物とが一体となった景色。