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杜の里(もりのさと)
川口通正建築研究所
写真:スパイラル/小林 浩志

床、天井の材はすべて杉材。壁の仕上げは、土佐漆喰塗り。壁内はすべて杉の3層構造パネル
敷地は、なだらかな坂道に面した台形である。
敷地東側には、モミジの木がもともとあり、この木を残した。眺めについては、敷地と隣接地の緑の関係を考えて、窓位置に合わせて借景している。
2階からは、遠くの森の景色が窓越しに連なるように見える。

玄関ホールの階段から、台所、居間、食堂方向を見る。

外観右手は元気になったモミジ。外壁は色漆喰左官塗り。
この住宅は、都心を遠く離れた自然豊かな子育てには、とても理想的な環境に建っている。
家の壁内は、杉の三層構造パネルの無垢を2枚重ねてあり、全くすきまをつくっていない。
断熱材としてもその材を活用している。
さらには、子供達の健康を考えて、プラスチック部材や、接着材を使用している材料は、内部に直接出る部分には使用していない。

居間、食堂、スタディコーナー、和室のワンルーム空間を見る。
木はすべて杉材で、塗装はしていない。家族は素足の感覚でずっと暮らしたいと考えている。
小さな子供達が、家のなかを飛びまわれるようなワンルーム田舎家プランである。
敷地内の高低差の都合上、内部にも階段等の段差があるが、それがかえって空間を楽しく豊かなものにしている。
そして、道路に塀を建てずにプライバシーを確保できている住宅となった。
建築DATA 1階床面積 : 59.60㎡ (18.02坪) 〈家族構成〉
2階床面積 : 27.44㎡ ( 8.30坪) 夫婦+子供3人
延べ床面積 : 87.04㎡ (26.32坪)
構 造 : 木造2階建て
[家づくりニュース2016年4月号掲載]