【 20-30坪 】

かぐや姫の家

かぐや姫の家_室内01

ダイニングスペースとつながった一段上がった四畳半のスペース。六寸角の大黒柱もあります。


かぐや姫の家_外観

竹林をバックに建つ家。タケノコ掘りも楽しそう。

竹林をバックに建つ家なので、「かぐや姫の家」と今、命名しました。
おじいさん、おばあさん、そしてかぐや姫の三人の家では勿論なく、まだお若い40代ご夫婦お二人の住宅です。
ご主人はとっても愛妻家の方なので、奥様がかぐや姫的存在なのかもしれません。
(とてもきれいな方です)

新しい家が出来て、ますます仲良く、楽しい生活を送っていただいているようです。

かぐや姫の家_室内02

キッチン方向を見たところ。キッチン右側の引き戸を開けると奥さんご所望の糠味噌や梅酒や根菜類を置く土間スペースがあります。

かぐや姫の家_写真

① 2階には多趣味なご主人の趣味スペースがあります。
② ダイニング脇の奥さんの書斎スペース。
③ 洗い出しの床と植栽。植栽は家を優しく包んでくれます。

 

建築DATA

1階床面積 : 45.26㎡           〈家族構成〉
2階床面積 : 35.32㎡            夫婦
延べ床面積 : 80.58㎡(24.37坪)     
構   造 : 木造2階建て

[家づくりニュース2013年12月号掲載]

戸外にも居間がある家

戸外にも居間がある家-室内_半田

戸外につながる大きな吹き抜けとウッドデッキ。開放感のある室内。

高性能で長寿命、しかもリーズナブルなコストを実現した住まいです。
住宅性能表示の基準で、耐震基準は最高級の等級3。
震度6強の地震でもそのまま住み続けられる強度です。
断熱性能は、最高等級を大幅にクリアー。
省エネと快適性が両立した家です。

一方、性能がよいだけでは、家族の楽しい生活が保障されるわけではありませんよね。
自分の家らしさ、年と共に微妙に変わる家族、年々よくなる設備機器等々、よい住まいには長期的な変化に対応できる包容力が必要です。
この要望を実現する秘訣は、間仕切りや設備などその時々の多様なニーズから構造フレームを自立させること。寺院や伝統的な民家を見れば、日本の木構造の寿命が、数百年以上であることは立証済みです。

戸外にも居間がある家-外観_半田

外観は、シンプルな切り妻型。居間の大きな開口部につながったウッドデッキは、戸外の居間。

住宅の床面積と敷地面積の割合は、建築基準法で地域毎に定められていますが、かなり厳しい地域でも敷地の4割以上が、戸外の余地として残されています。
室内の計画も大切ですが、現実の快適性は周辺環境あっての住まいです。
戸外計画(外構計画)を住まい計画のはじめから考えて計画すると、思った以上の住環境が実現できます。
住む人の心が豊かになる快適な住まいを実現するキーワードの一つが、敷地の総合計画です。

人生の基盤である自宅を、いかに安心で豊かにするか、そんなまじめなことを考えて家づくりをしています。

[家づくりニュース2013年11月号_掲載]

亀戸の家

亀戸の家

キッチン上部の開口から屋上コートテラスの様子が見える


亀戸の家02

家の中心にある階段がパパの居場所

都心にたつ狭小住宅。 

敷地面積17坪・防火地域という条件に加え、3階建てにしたいという施主の要望から、木造耐火建築物として設計することになりました。木造耐火建築物とするためには、外壁の耐火性能はもちろんのこと、内部も木の軸組をすべて総厚42ミリの石膏ボードで覆わねばなりません。設備配管も、耐火被覆した構造体の外側に追い出す必要があり、通常の木造より内々の寸法が随分減っていってしまいます。

厳しい条件下で救いだったのは、敷地の両隣が旗竿敷地で、その竿部分で採光が取りやすかったことです。三方向から光を入れることができ、「どの時間帯でも暗くならないのが嬉しい」という感想をお施主様から頂戴することができました。

亀戸の家03

周囲の視線を避けつつ、いろんな方向から光を取り入れる

この家の最大の特徴はキッチンの空間です。家事をしながらプレイルームとなっている子供室の確認ができ、かつ、上を見上げれば屋上のコートテラスも確認できる高窓があります。家の内外を見渡せる空間構成は、幼児をかかえた家事のストレス軽減につながりますただ見渡せるだけではなく、空間にいろんな方向から光が入りこむこと、視線の抜けが出来ていることは、大らかなご家族にうまくマッチングしたのではないかと思っています。

 

建築DATA

1階床面積 : 38.50㎡(11.65坪)           〈家族構成〉
2階床面積 : 39.01㎡(11.80坪)           夫婦 + 子供2人 + 犬一匹
3階床面積 : 20.53㎡(6.21坪)
延べ床面積 : 98.04㎡(29.66坪)    
構   造 : 木造3階建て

[家づくりニュース2013年4月号_今月の家_掲載]

矢来の家(減築)

写真:篠澤 裕

2階板間:階段両側の壁を抜いて一体の空間(LDK)とした。
     外周壁に作られた棚板には多くの書籍が収納された。


都心に建つ古い家を、過去の記憶を残しながら「減築」した、庭のある夫婦二人のための住宅です。

東京都新宿区の古くからの住宅地。親の代からの持ち家である築50年程の住宅にくっついて築40年程のアパートが増築された木造2階建ての建築に、若いご夫婦が住んでいました。
「古い住宅と増築されたアパートをリフォームして、家族二人と猫二匹が住みやすい家にしたい。」との希望をかなえるため、現地を拝見し案を練りました。

考えた末、DKとして使われていた味はあるが大分痛んできてもいた古い部分を思い切って「減築」し、そこに緑を沢山植えて庭とし、築40年程の主にアパートだった部分をリフォームすることにしました。
1階を土間、2階を板間として、階段と吹抜けでつなぎ家全体を一体の空間としました。構造上のバランスを考えて一部の窓を塞ぎ壁にしましたが、残した窓を取り換える事はせず、古い健全な柱や梁は極力残し表に見せました。
古い柱に沢山残る「貫穴」を埋めて白く塗り、もともとの建物の壁や開口部の位置の「記憶」を保ちました。
書籍を沢山持たれているご夫婦のために、壁にはぐるりと固定の厚い棚板を開口部の位置とは無頓着に回しました(写真のごとく、一番上の棚は二匹の猫の活動のために何も置かれていません)。

古い部分を作った昔の職人達に敬意を持ち、彼等との共作のようにして作り上げた住宅の内部空間には過去の温もりが伝えられることとなりました。

1階土間:簡素に作られた新しい内装は、以前からの障子とも馴染んでいる。

建築DATA

1階床面積 : 11.07坪           〈家族構成〉
2階床面積 : 10.57坪           夫婦 + 猫二匹
延べ床面積 : 21.64坪     
構   造 : 木造2階建て

[家づくりニュース2013年3月号_今月の家_掲載]

扇翁

扇翁_室内

狭さを感じない開放的な2階 キッチンはこの家の舞台

この建物は扇型の平面形状をもつ家族4人のための住まいです。なにもわざわざ造形のイコンとして扇型をモチーフにした訳ではありません。ご主人は30代半ばのお勤め方で、もうすぐ家族が増えることを機会に、建築条件付き(売り建て)の土地を購入し、晴れて新生活のための住まいづくりが始まる予定でした。
ところがこちらの土地は三角形状をもつ変形狭小傾斜地というだけでなく、条例によって様々な制約がかけられていました。そのなかでも大きいのは壁面後退です。壁面後退を余儀なくされた残りの土地面積はなんと12坪余りでした。この条件下によって提出される計画案は設計者に何度返しても、とても実生活をイメージできるような案はでてこなかったそうです。困り果てたあげく、売り主に建築条件を外す交渉を済ませたうえでご相談に来られました。

駐車スペースにも配慮しながら、この敷地とどのように折り合いをつかるか…敷地調査で撮ってきた写真を眺めながら、高低差や傾斜の度合いを見極めつつスケッチをしていくと、扇に近い形状がムダなく容積が最も見込めそうです。形状的には曲面も造りやすい鉄筋コンクリート構造を採用したいところでしたが、与えられた建築費用の範囲で収めるとなると構造は木造以外の選択肢はありません。この建物は北東の角を頂点に3つの同台形フレームを回転させて繋いだ構造フレームをモジュールとして、できるだけ単純化するように心がけ、全て直線で施工できるように配慮しています。また、残土処分費用が抑えられるように、内部は各階ともに敷地の傾斜なりの適度な段差をあえて設けました。2階に生じた段差は、人数の多い来客時には自然環境にある腰掛けかのように重宝し、暗くなりがちな1階北寄りの廊下を明るくする採光スリットともなります。この段差は子供達の大のお気に入りの場所だそう。ウィークポイントが逆に建物の特徴となり、狭小を忘れさせる豊かな空間が実現できたと思います。

扇翁_平面図

扇形状をもつ平面図

        

敷地面積 : 88.19㎡               〈家族構成〉
建築面積 : 37.69㎡                 大人 2人
延べ床面積 : 74.32㎡(ロフト面積を除く)     子供 2人(未就学児)
構  造 : 木造軸組工法 / 2階建て+ロフト

[家づくりニュース2013年2月号_今月の家_掲載]

横浜近郊の家

小高い丘を臨む2階リビングダイニング。

都心から私鉄で約一時間。電車に揺られて行くうちに、コンクリートだらけでモノトーンに見えた車窓にも、ちらほらと緑が目立ってきます。この住宅は、そんな場所にあります。はじめてこの敷地を訪れた時、前面道路を挟んで南側正面の小高い丘が何と言っても印象的でした。都心からこんなに近くに、こんな自然豊かな場所があるのか! という驚き。大変個性の強い敷地に、心ひそかにプラン造りが楽しみになりました。

春には新緑に輝く木々に小鳥がさえずる窓。
夏には緑深く木々が夕立にざわめく窓。
秋には紅葉した木々から静かに葉が舞い落ちる窓。
冬には青い空にそびえ立つ木々がまぶしい窓。

四季折々、様々な色に変化する大きな窓を造りたい。
晴れの日も、雨の日も、すぐそこに自然を感じる大きな窓を造りたい。
この思いを根幹に練り上げたプランです。

小規模でもできる限り広々と感じられるダイナミックな空間を実現するために鉄骨造とし、不要な柱をなくし、動線を限りなくシンプルにしました。こうして小さいながら広々と感じられる開放的なリビングが完成しました。出来上がった大開口からは、もちろん前面に小高い丘が臨めます。
ともすると固い印象になりがちなサッシの窓枠に、十字型にしっかりとした木製の枠をつけることで、窓にダイナミックでありながらやさしい表情を加えました。
今頃は、澄み切った青空から秋の日差しが降り注いでいることでしょう。
設計を始めて早30年以上の時が過ぎましたが、この先もまた新たな挑戦を続けていきたいと思います。

1 階 :12.00 坪    〈家族構成〉
2 階 :18.00 坪     大人 2人
延べ :30.00 坪     子供 1人

ライブラリー(家族の図書室)のある家

ライブラリーのある家_2階のライブラリー2階にあるライブラリー。
手前にある小さな吹き抜けを通して1階のダイニングに陽をとりいれる。

周囲を家で囲まれ1階はほとんど陽があたらない都市型住宅の場合、一番気持ちのよい場所にしたい居間・ダイニングスペースを2階に持って行く場合が多いものです。
この家の敷地は東西に細長い敷地。東側道路ですが他の三面は2階建ての住宅が敷地一杯に建っています。通常に考えるならば、2階リビングの逆転プランをおすすめする敷地です。ところが建て主の方が選んだ決断は1階をダイニングとし、TVを見るスペースをとってほしいということ、そしてライブラリー(家族の図書室)を2階につくってほしいとの要望。
共働きなので平日家族で過ごす時間は朝と夜。だから平日の昼間の居間の日当たりは特にいらないし、子供も自分の部屋でなく共通の大きなテーブルで勉強させたい。(前の家では食卓が勉強の場所でしたとのこと)
奥さんは朝早く起きて仕事に行く前に勉強するとのことで、朝日のしっかり入る気持ちのよい場所がライブラリーとなりました。
とは言っても、設計者として1階の居間・ダイニングスペースに吹き抜けや高窓をとって陽が入り、風が抜けるように工夫をしています。
ライブラリーを造ったとばっちりで、子供部屋はベッドと収納だけのとても小さな部屋。だからか、一人になりたいとき以外は気持ちのよいライブラリーに出てきて本を読んだり勉強したり(ゲームも)しているそうです。休日にはここでご主人がストレッチをしたりPCを見たりと、しっかり第2リビングとしても活躍しているようです。
ちなみにお二人の息子さんはとっても勉強が出来るお子さん。やはり頭のよい子に育てるにはライブラリー(家族の図書室)は有効ですね!
……というか、もともと勉強の出来るお子さん達ではありますが。

ライブラリーのある家_2階のライブラリーキッチン方向からダイニング方向を見たところ。

1階:14.19 坪    〈家族構成〉
2階:13.45 坪     大人 2人
延べ:27.64 坪     子供 2人

ヒューマンスケールで居心地のよさをつくる

 家づくりの仕事をしていると、ヒューマンスケールという言葉を使うことがよくある。実体がない言葉だけにその本質は捉えにくい。ヒューマンスケールとは、どのようなことを指すのだろうか。
 身体寸法で考えた寸法を、単純にヒューマンスケールといっても、大人から子供までその身体寸法には違いがあるし、誰にでも適したスケールで空間をつくることは実際には難しい。ヒューマンスケールのスケールとは、個人個人に合わせた寸法ではなく、人が暮すうえで、落ち着きをもつことができるスケールのことのようだ。そしてこの落ち着きをつくり出すためには、プロポーションという概念が必要になってくる。
 ところが、これもまた感覚的な捉え方しかできない言葉であり、住宅に限っていえば、空間のプロポーションがよければ居心地がよいとも言えない。プロポーションのよさとは寸法的な釣り合いのよさを示すだけで、そこに暮らしのなかの所作に対する寸法的な検討がなされていないと、しっくりと納まったプロポーションにはならない。
 そんなことを思い、暮らしのなかの所作がスムーズに流れる寸法を各所に与えていくことが、この東久留米の家の家づくりだった。
 床面積は28坪の2階建て。家族3人(将来4人を想定)が暮らす家の広さとしては、とてもしっくりとした心地よさがあり、1階は階段を中心に回遊動線がつくられている。どの場所にいても進む方向に2つの選択肢があるので、実際より広く感じて暮すことができる。また、高さ寸法に関しても、食堂の天井高さは2m15cm、居間は2m30cm、そして居間の掃き出し窓の高さは1m92cm、どの寸法も、決して高いわけではないが、空間のプロポーションとしては、居心地のよさをつくり出したと思っている。
 4人家族であれば、20坪台の住宅で、十分に心地よい家が実現できると考えている。

ヒューマンスケールで居心地のよさをつくる_01キッチンから食堂と居間、そしてその先のテラスを見ている。
食堂のテーブルは、この家のサイズに合わせ特注で設計している。

ヒューマンスケールで居心地のよさをつくる_02居間からウッドテラスを見ている。
窓は木製のサッシで壁に仕舞えるので、居間とテラスは一体になる。
ソファーの後ろは引戸を開けると、大きな収納になっている。

1 階 : 14.00 坪      〈家族構成〉
2 階 : 14.00 坪       大人 2人
延べ : 28.00 坪       子供 1人

二子玉川の家

多摩川を臨む、眺めの良い家
 多摩川の河川敷に面した住宅です。必要な床面積を確保するためと、恵まれた景観を活かすために3 階建てとしています。
 堤防の高さは2階の床よりも高く、上からの視線に対してプライバシーを守る必要がありました。そこで2階には寝室を配し、各部屋毎の小窓でプライバシーのコントロールを容易にしています。一方3階は高めのフェンスで囲われたテラスを緩衝帯とすることで、リビングダイニングと浴室を開放感あふれる空間とすることが出来ました。テラスからは遠く対岸まで見渡せる広々とした景観が広がります。
 1階は将来のカフェスペースとして計画されていて、現在は子供達が工作や遊びに自由に使えるオープンスペースとなっています。
 風致地区の規制や高さ制限などが厳しく難しい敷地でしたが、敷地環境を全て使い尽くそうという建て主の情熱と、ユニークな提案も前向きに受け止めてくれる柔軟さ、そして建てるプロセスを楽しみたいという大らかな気持ちに支えられてこの住宅は完成しました。建て主はこの土地を見つけるのに5 年の歳月をかけたそうです。その思いに少しは応えることが出来たのではないかと思っています。

二子玉川の家_01河川敷を見渡す3 階にリビングダイニングを配し、開放的なテラスへと開いています。

二子玉川の家_02限られた面積の中、広がりを高さと開放感に求めたリビングです。

1 階 : 16.40 坪      〈家族構成〉
2 階 : 16.40 坪       大人 2人
3 階 : 12.00 坪       子供 3人
延べ : 44.80 坪

kotori_House

 ブログに載せた一枚の写真。日本海で見つけた防砂の板屏。杉の木で作られた板の塀は風雨にさらされて綺麗なシルバーグレイになっていました。
 ちょうど設計中だった「kotori_House」の建て主さんから、自分の家の外壁もあんなシルバーグレイになりませんか? と嬉しい反応。板が風雨にさらされて変色してゆくのを木が腐ったと誤解する人もいますが、あれは腐っているわけではありません。紫外線で木の樹脂成分が変色しただけです。
 そこで、信州産のカラマツ板の外壁にUVカットしない撥水剤を塗布することに。写真は完成から1年後の様子です。シルバーグレイまでにはあと数年かかりそうですが、建て主さんはその日を心待ちにしています。

kotori_House_01外壁がいい感じになってきました。お庭の植物も建て物を引き立ててくれます。

kotori_House_02竣工時の様子。真新しいカラマツの外壁。まだまだ寂しいアプローチの庭。

kotori_House_03日本海で見つけた防砂の塀はきれいなシルバーグレイでした。

1 階 : 14.00 坪        〈家族構成〉
2 階 : 14.00 坪         大人 2人
延べ : 28.00 坪         子供 1人
(ロフト: 7.00 坪)